【 初挑戦 】
掲載日 2016-05-16
この画像は、1980年頃のKersenのシャフトと、それに合わせて現在製作中のスペアシャフトである。
中国のKさんより頼まれて作ることにした、先角はオールドのマイカータ、シャフト材はAbe材、テーパーも80年頃の全盛期のKersenと同じもの。
シャフト材についての思い出であるが、1990年頃からSouth WestやTADなどあちこちのキューメーカーに言われたことは、「昔のシャフト材が手に入らない、探せない。」
その後、ブリーチ材やらタイムレスティンバーやら色々なシャフト材が出てきた。
その中で集成材も試され、ソリッドな物からよくしなる物まで開発されてきた訳だ。そして“ハイテクシャフト”と呼ばれる素材まで登場したのはよく知られている。
“昔のようなシャフト材”とは、伐採した後にじっくり時間をかけて乾燥させることが大前提。
そしてそんな素材は加工する時も少しずつ様子を見ながら手をかけて削っていく必要がある。
供給する側にもスペースや手間や時間が比較にならない程かかる訳だ。
作り手の側も同じであるのは言うまでもない。
なんでも原価と利益で計算される現代には不向きな訳で、マーケットはいつの間にやらハイテクだらけになってしまった。昔の材が消えてもう25年にもなるのだから仕方のないことだと思う。
さて、今回自分の作るスペアシャフトはどんな評価になるのか・・・
35年も前のシャフトと比較されるのは内心とてもおもしろく、わくわくするものである。
今回のひとりごとは、「たまにはこんな事もするよ」 それだけである。