【 ポケット再開 】
掲載日 2022-08-16
ここ5年間ずっとスリーを撞いてきました。
その間ポケットはほとんど撞かなかったの。
スリーのキューを作るのに私も撞けない、ゲームも知らない、というのはとっても恥ずかしくてね。
それで工場にスリーの台を買って撞き込んだのよ。
ところが今年の2月から引越しの準備でスリーを撞けていなくて…
ずっと木材の移動とかで大変で、ようやく片付いたのが7月に入ってから…
久しぶりに撞いたらもうさっぱり当たらなくて、対策としては焦らずに少しずつ戻そうとしてました。
ところが、ところがです。
7月中旬に自分のキューにマッチするタップを作るお話を頂き、またスリーはおざなりになってしまいました。
今回私が頼みたいのはポケットのキューに合うタップなのよ。
私とごく親しい方は気付いていたと思いますが、私は豚皮がまるでダメ!!肉は大好きです!!チャーハンの時に香るラードも大好き。でもタップは豚は合わないのよ。
これは初代のモーリからずっとダメ、30年間!!
92年頃かしら??まず厚過ぎて撞いている感じが合わない。
そして音も違和感があった。
でもハワイのブライアンズにはよく頼まれて、100箱か200箱は送ったね。
あれ?考えてみたらタップ代も送料も1ドルももらってないな(笑)
まぁゲーム代も1度も払ってないからおあいこかな(笑)
話を戻すと、その頃の自分のレベルでは豚の何が良くて、プロとかトライアングルとかチャンピオンの何がダメかをまったく理解できていなかったのよ。
豚を付けてははずし、はずしては付けて…、結局自分にはProが一番良かったわけ。
ピザとかパスタとかラーメンとか…でも自分には白米が…みたいな話である。
なんで白米?と聞かれてもきちんと説明できなかったね、今も同じだけど。
育った時からずっとそれで来ているので腕に馴染んでいるのだろうか。
キューを作り始めたのが14年前、54歳の時。
様々な出会いがあり、その間おかげさまでタップを作られている素敵な方達ともお知り合いになったわけです。
私的には、なんとなく匂わせて(私に合う物を…)という風には思ったけど、皆さんは世界に名だたるタップメーカーさんでまったくというほど何もなかったのよ。当然と言えば当然。
まぁ、かくいう私の方もどんなものを作って欲しいかという具体的な製品イメージもできてなくてね、これが自分でもう一歩踏み出せなかった点でもあります。
でも14年間、イヤ、15年目に入りましたが、この間はずっと自分の作るキュー、自分たちの作るキューの品質と勉強と試行錯誤でしたね。
タップを作るなんて少しも考えもしなかった、イッパイイッパイ!!
タップの選択はキューをお持ちの方のお好みで、と半分お任せしていた自分がいます。
キュー作りの中の最初の4年は、ポケットのメープルフロントのフラットフェイスを作り続け、エボニーのフラットフェイスを作ったのが5年目かな。
6年目、少しパイロテッドを作って、そしてまたフラットを作り、モンスタージョイント。
ほとんど同時にスリーのキューのオーダーのお話を頂いて、導かれるようにスリーのキューのお勉強をした3年間、熱中しましたね!
その後に今度はブレイクキューのお話を何人にも言われ、マーケットを観たら間違いだらけのキューばかりで、仕方なく約100本程GPBを作った。
最初は仕方なく…だったけど、作ってみるとやはり何でも学ぶところは多くてありがたいもんです。
こうしてピンの違い、ジョイントの違い、素材による違い、ゲームによる違いをどなたかに導かれるように扉を次々と開かれて学んできたわけなんです。
そうしたところに、今回もう一度ポケットに戻って自分のキュー専用のタップですよ、となって本当にビックリしますね。とにかく次から次と目の前に目標が出てきます。目まぐるしい!!
また、目標ができると颯爽とそれにかなう人まで現れるのだから驚きです。
7月の中旬にタップ製作のお話を頂き、今は8月中旬。
試作はまだなかなかうまくいっていないの。
こう、口に出して言うのはとっても簡単、それは私です。
でも言葉は同じでも語り手と聞き手では差がでるわけ。
「ウワッ!俺好みの美人〜!!」私はセクシーなモンローをずっと好んだけど、別な人にはローマの休日の清純なヘプバーンかな。イヤイヤ、AKBの…ってただの女好きだね。
タップではもう少し柔らかめ…とか言うのがとっても微妙なの。
まず何せ私は全くのド素人で無知の塊、…ピシッ!
新潟に住んでますが佐渡ではないのです、…ピシッ!
柔らかめのムチが…、アァ……、ワカンネェダローナ!!
豚が好きでなかったのは痩せた女が好きだったから。
イヤ、違う、ゴメン。キューミスが多かったからだ、よ〜く覚えている。
Proで撞いていた時はキューミスなんかまずほとんどしなかった。
ブレイクしてその後チョークなど一度も付けなくてもマス割りしたもんである。
でも、豚はもうしょっちゅうキューミス。
見ると接着剤の輪の上に打痕がついている。
早撞きの自分はチョークは一度付けたら後は付けない、ホントに付けない。
自分のスタイルというか、テンポに豚の積層は全然かみ合わなかったのよ、だからミスキュー。
昔お店をしていたせいで随分とタップは買い集めた。
全然違いも理解できずにたくさんの種類を買ったね。
その頃のタップは全部牛皮だった。モーたくさん集めたのよ。
その中での自分の好きなのは赤箱チャンピオン。
JossWest標準タップだったね。
Bill Stroudは球も上手でタップの重要性をよく知っていたのだろうな。
彼がキューを作り始めたのは70年頃で、このタップについては80年代末のことだ。
ということは、自分の今の歩みもBillと照らし合わせるとまぁ上出来ということか。
ここでひとつ、豆知識を。
豚皮と牛革。
世界中ではどちらが売れているかご存知ですか?
正解は… 牛革!! ……と思った人は ブーーッ!!
現在の世界中のタップ売上か個数売上かわからんけど、
90%以上は豚(個数)、99%は豚(金額)。
では、私のような人間は、モー、モー、黙るしかないモーッ!!
なんでこうなるのか…については次回お話ししましょう。
モー寝ます。