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【 9Hearts 】

掲載日 2017-12-31

皆さんは「発明の父」という言葉を耳にしたことがあると思う。
そう、トーマス・アルバ・エジソンのこと。
父がいるのだから母は・・・となると、そうだね、キュリー夫妻を指す。
では、カスタムキューの父は誰か知っている?
残念ながらGusではない、Harvey Martinなのだ。
彼は1920年頃、今からちょうど100年も前にカスタムキューを作っていた。
そして、プールキューの構造やテーパーを確立したのはGeorge Balabushkaである、間違いない。
この点においては現代の名手と言われているSearingやShowman、そしてGusの息子のBarryでさえも異論は出ないであろう、キューについて語る者の常識だ。
私もキューを作るようになってまだ10年足らずであるが、キューの構造やら撞き味について考えを巡らす度に頭に浮かぶのがGeorge Balabushkaのことであり、自分のキューを仕上げてみて比べている、いや闘っているのである。
自分が作っている物は、私の心の中では「今、もしGeorgeやGusが生きていたらきっとこんな物を作るのではないか?」というように考えて作ってきた、ポリシーだネ。2010年も11年も12年も自分の中では常にそんな気持ちでいた訳である、今もずっとだ。
工作機械設備は昔と今ではまるで違う。接着剤の違いもとても大きい。仕上がったキューデザインもまるきり違う。そして、求められるキューの重さもシャフトの太さもテーパーも違う、ゲームやプレイスタイルが違うからネ。
でも、基本の素材である「木材(メープルやエボニー)」は古い良く寝かせた素材で同じである。そして一番同じで大切なのは作製する者(私)の
心、それも同じである、と私は神に誓って言える、ずっとそのつもりだ。
だから自分のキューはずっと最初はメープルフロント、それもコアなしで作り続けた。
中に2、3本をコアして作ったが、振動が硬すぎて気に食わなかった、右手にくる感じが違う、私の追い求めているものと違うのだ。
そして約5年でメープルフロントを100本程いろいろ作ってみて、自分なりに納得してようやくエボニーフロントに入った訳だ。
メープルを作っている間にエボニーについても、事あるごとに考えていた、良いエボニーキューとはどんなものなのかをね。
今自分がしているキュー作りは、キューコレクターだった自分にしかできない贅沢なキュー作りである。
あちこちの名手たちの良いところを盗んでエッセンスだけを残し、それをさらにふるいにかけて最高の物を作っているつもり。
まだまだだけど、今までの経験が活きてお陰様で充分に愉しんでいる。

エボニーキューを考えていた時に頭にあったのはコアなしのエボニーフロントで19oz〜20oz。それも、ごまかしのない構造で、といったことに気を配った。
言葉を変えてわかりやすく言うと、フロント材(エボニー)が重い。
そしてハンドル部には絶対に重い材が必要、打感がkey。
この重さに応えるためにはシャフトにも重くて強い材が必要。
重+重+重=Max重、なのに仕上がりは平均値で、ということに留意した。
正直言うと、私の中ではマジックを越えて、ミラクルと思っている。
しかもテーパーはほとんど変えていない。塗りも一緒だ。

エボニーフロントのキューで世界中のキュー作りの皆がする最初の間違いはコアすること。
最初からコアすることを覚えると、何も考えずに全てを足し算と引き算で作る。
私とはすでに入り口が違っている。
だから皆がする次の間違いは、ハンドルの軽量化だネ。
そして最後の大きな間違いは、軽いシャフトを使う。一丁あがり!!ってなもんだ。
これならどんな下手くそでもエボニーフロントの19ozを作れるが、良いものであるはずがない。
自分が作った2015〜16年のILCの9HEARTのエボニーシリーズはコアしないでハンドルも重くて、シャフトも重い物を使って、こうして作られたものである、限定品。
今、作っているのは9Heartsである。Sなのだ、Mではない・・・(でも自分はMかも・・・?)
フロント材はコアしてある、ジョイントを密着度がMaxのウルトラにするにはこれが一番と考えた。

ネジはスーパータイトに切ってある。ニップルも少し長めでしっかりタイト!!
皆がありがたがるお飾りだけの意味のない偽物ニップルとは物が違う、信じる者は救われないのだよ、わかるね。
バットのこだわりは、はっきり言うと・・・言えない、ヒミツだ!!言えるわけがない!!
求められているのは19oz前後だ、これがヒント。
重さはパワーを作るのでごまかさないこと。

ジョイントはウルトラだが、もちろんLambrosとは互換性がない。
アングルが違うし、山の仕上がりも違う、だから撞き味も違う、当然だ。
塗りは一番の違いで、うちはウレタンである。アメリカの高級と称しているメーカーでは今でも酷いものが多い、というかある。
球撞きしないメーカーはダメだなぁ・・・自分はキュー作りしてからこのことに気付いたけどネ。
普段からコメのメシを食べず、生魚も食べない人間が美味しい寿司を握るわけがない。
NYのノブでもマグロもサーモンもブリもファームドフィッシュばかりだったっけ・・・値段だけ超一流だよ!!
シャフトは他と何も変わらない。至って簡単な仕事で当たり前。
何も足さない、何も引かない、何も浸けない・・・シンプル!!
ただし、このシンプルがなかなかできない。

もう一度おさらいしましょうか。
求められているのは19oz前後。19.7とか19.8は・・・まぁ好みではあるが、私的にはアウト!!
プレイスタイルはコンパクトなショートストロークで撞点は内側だ。
エフレンやブスタマンテはもう合わないのだヨ、フィリピンでさえそうなのである。
撞点は内側で、それでいてキューボールアクション、パワーは必要だ、相反することを求められているが、ここが腕、である。
先球との接触、球離れは早いこともkeyの1つ。
先球にスピンをかけない、ジャンプさせないということにも繋がる。
自分ではこれに合うのは充分に寝かせた(7〜15年程か20年か)メープルが良いと思っている。
50年や100年寝かせた材は悪くはないが硬すぎる気がする。柔らかい白い材やそれを硬化させたのは論外だ。貼り合わせ?頭おかしいんじゃないか?
他社は関係ない、集中、集中!!頑張るよ。